誰もがやったときある練習ですが名前が決まっていないアレです。
この練習は色々な体を使うため種類も豊富であり、なおかつアレンジ方法もたくさんありますが、低学年の子供達が普通に行うとイメージ通りにならないことが多々あります。
理由としては、一見大人がやれば精度はともかく形は作れそうな簡単なメニューではございますが、低学年の子供達にとっては狙ったところに投げるという動作がなかなか難しく、目的が「浮き玉の処理技術の向上」だとするならば意図しない結果となりえます。それでも根気よく行えば上達はしますが、どこに時間をかけるかによるものだと思います。
そこで今回は、低学年でも行える「二人一組でボールを投げて行う基礎練習メニュー」をポイントを抑えた形でご紹介したいと思います。
概要
基本的な練習方法としては多少アレンジもありますが方法としては以下となります。- 二人一組を作る
- 片方が両手で下投げで各部位に優しく投げる
- 受ける方は決められたルールの元ボールを相手に返す
- 決められた回数・時間で交代をする
これらをベースとし、行っていきます。
パターンとしては以下の2パターンがあり、浮き玉処理を向上させたい場合は1,トラップを意識させたい場合は2を行います。
- 浮き玉でそのまま落とさずに相手に返す。
- ボールをコントロールして相手の足元に返す。
また正面だけでなく、横へボールを出すことや敢えてワンバンドで投げたりすることで違ったメニューになります。
練習メニュー
- インステップ
- インステップ(斜め横)
- インサイド
- インサイド(斜め横)
- 腿→インステップ・インサイド
- 胸→インサイド・インステップ
- ヘディング
- ヘディング(下がりながら)
- インステップ✕2
- インサイド✕2
- アウトサイド→インステップ・インサイド
低学年の場合、単調なメニューとなってしまいますので、落とさないで何回続けられるかなどの競争要素をつけてあげると集中して練習してくれます。
応用メニュー
よくある応用としては、貰う前に首を振ったり、移動しながら行ったりするのですが、ジュニア世代の子供達は「試合をイメージ」というのが経験が乏しいためイメージしてと伝えても伝わりにくく難しい場合があります。また、首を振れというと首をふるのに意識してしまい何のために行うのか・首を振って何を見るのかがわからないという結果になってしまいます。
そんな時は以下の動画のようなイメージで、二人一組+コーチが入り、コーチの指示に従ってその方向へトラップをしボールを動かすと行った形にアレンジすることが可能です。
具体的には以下の方法で行います。
- 二人一組を作る。
- ボールを受ける方にマーカーで5mくらいのグリッドを作成し、中心にボールを受ける人が立つ。
- ボールを受ける方の後ろに指示者(コーチ)が立つ。
- コーチが手を上げた方向へトラップをし、マーカーのところでターンをしてボールを投げる側へ返す。
- コーチがボールを上げない場合はそのまま返し、両手を上げたら後ろへターンをする。
ゲーム感覚で行えるため空きが来ないのと、強制的にルックアラウンドを行えるため首を振る練習にもなります。
この場合、ただ首を振るというのではなくコーチを見るということが目的になるので「何を見る」という所にフォーカスを当てることが出来ます。
最初は難しいので、コーチの笛の合図で確認し、移動するといった形も良いかもしれません。
この方法は二人一組の対面パスでも応用することが可能です。
メリット
全体のメリットしては以下があげられます。- 浮き玉の処理の向上
- 空間把握能力の向上
- ボールタッチ技術の向上
- トラップ技術の向上
- ファーストタッチの向上
試合での使い所
スローインを受けたときに、自身のマーカーの確認によってファーストタッチをどうするべきか…前を向けなければ相手に返す、ファーストタッチで躱せるのであれば、どこへコントロールするべきか、スローインの一局面をとってもこの練習で色々なシーンを練習することが出来ます。
指導ポイント
- 投げるタイミングも意識しよう(低学年用:自分本位に投げてしまうため相手の準備が出来ているか意識する)
- ボールが来る前に足踏みをし準備をしておこう
- ボールを良く見て当てることを意識しよう
- ボールは相手の胸に返すように意識して行おう
- トラップする時は、ボールが跳ねないようにコントロールしよう。
- ファーストタッチで移動する時は、自分とボールが離れないようにしよう。
終わりに
定番メニューとなりますが、ジュニア世代では声がけや練習のやり方によってただふざけて終わるという結果になってしまいます。しかし、ドリブル・パスと同じくらい大事な浮き玉の処理は空間把握能力の向上に必要不可欠の要素となるので是非練習にトライしてみてください。
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