その中で、パスは「ボールを蹴る」「ボールを止める」に該当し、必ず習得しなければいけない要素です。
パス練習は様々なやり方がありますが、対面パスなどでは低学年の子供達にパス練習をさせると、蹴ることに一生懸命になったり何となく蹴ったり、またはボールを止める位置が適当になってしまったりといった傾向が見受けられます。
適切な声掛けである程度は意識を修正することが可能であるとは思いますが、人数が多くなるに連れて目が行き届かなくなってしまうのが現状です。
また、判断力の向上のため少し複雑なパスワークの練習はありますが、そもそも複雑なことを理解するにはまだ年齢が幼いため、説明を聞いた時点で嫌になったり思考回路が停止したりしてしまうと、いくら良い練習をしてもまだ時期尚早とも言えます。
そこで今回は難しい説明がいらない、低学年の子供達でもファーストタッチや周りを意識して判断力が良くなる「グリッドを使ったパス練習」をご紹介したいと思います。
練習方法
- マーカーやコーンを使いグリッドを作ります。
グリッドの大きさは人数次第で変更します。人数が多ければ少し広めのフットサルコート半分位で、少なければ10m位の大きさにします。 - チームを分けます。基本は2チームで良いのですがチーム数を増やすことで難易度が難しくなります。
1チームの最低人数としては4人程居ないとただのパス交換となってしまいます。
尚、ビブスでチームを色分けすると良いでしょう。 - グリッド内で動きながらパス交換を行います。
- ボールの数は多くなればなるほど難易度が高くなります。1チーム最低2つのボールを用意することでパスを出した後に別のボールが来るかもしれない為の確認による周囲を見回す動きを練習に取り入れる事ができます。
- パス交換のルールとしては以下を設けましょう。
- 必ず動きながらパスを出したりトラップをすること。
- 同じ相手には返さないこと。
- 応用でタッチ制限(2タッチ・3タッチ、必ずドリブルをする等)
コートを狭くすればするほど、パスを出すスペースが狭くなり貰い手はしっかりと顔を出さなくてはいけなくなります。
最初のうちは動きながらというのが難しいため足が止まってしまいがちですが、コーチがフリーマンとして入ることで子供達を動かしましょう。
この練習の変化形として、動きながらのパスを練習した後にボールを1つにしてパスゲームを行うと飽きやすい低学年でも楽しくできます。
目標が無いパスゲームでも「最後までボールを持っていたチームが勝ち」や「先に10回パスをつなげたほうが勝ち」などにすると盛り上がります。
少し違うのですがイメージとしては以下の動画です。
パスゲーム的な形にし、直ぐにプレッシャーが行けるような狭い空間を作れば実践に近い素早いパス回しが要求される練習へと切り替わります。
メリット
- 試合に近い状態(顔を出す・ドリブルをしながらパス)でパス練習ができる。
- ボールに触る機会が多くなる。
- ボールを受ける動きが上手くなる。
- オフ・ザ・ボールの動きが向上する(特にルックアラウンド)。
- パスアンドゴーが身につく。
- トラップやファーストタッチが向上する。
- 試合で使えるパス技術が身につく(正しい蹴り方と言うより実践に即した蹴り方)
指導ポイント
- パスを出したら終わりでなく、別のボールを貰えるように周りを確認すること。
- 止まってパス相手を探すのではなく、ドリブルもしくはボールを貰う前にパス相手を探すこと。
終わりに
低学年の子供達に少し複雑な新しい練習を教えるのは大変です。
この年代の子供達は発育の差が激しいため、知能がまだ十分に発達していない子がついてこれなくなります。
そういう子を置いていかないためにも簡単で練習効果の高いこの練習を是非試してみてはいかがでしょうか。
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