相手のゴールにボールを決めるためには、ドリブル・パス・シュートといった動作をしなければなりません。
パスをするということは、ボールを正確に蹴ったり、止めたりする技術が必要不可欠であります。
サッカーを習いたての低学年の子供達は、まずは何でもボール蹴る所から始まります。
そして徐々にドリブルを覚え、お団子サッカーになり、パスを覚えていくといった過程を辿ります。
お団子サッカーまではドリブル中心とした練習メニューで良いのですが、パスとなると様々な要素がありどこから手を付けて教えたら良いか難しくなります。
そこで、今回は低学年の子供達にパスを教えるための基礎となる対面パスについて記載したいと思います。
優れたパスとは
優れたパスとは、パスの受け手が取りやすく且つ対戦相手に取られないボールです。それには大きく分けると3つのことが大事となります。
それらを全て高い次元で実現することができたパスが優れたパスといえます。
ボールを正確に蹴ることが出来る
1つ目は、基本中の基本であるボールを正確に蹴ることが出来ることです。思い通りの場所に蹴ることが出来なければパスミスに繋がる可能性が高くなります。
まずはここから初めなければ次のステップに繋がりません。
ただし、足を90度に開いて押し出すようなインサイドキックを必ずしも守って行わなければ行けないかと言えば、そうではなく大事なのは狙った位置・速さ・タイミングでボールが届けば良いということです。
ボールの受け方
ボールを正確に蹴れても、対戦相手のプレッシャーの中でパスを出すことが出来なければ試合では使えません。つまり自分がボールを蹴ることが出来る位置にボールをコントロールをしなければなりません。
対戦相手が近ければ、相手にカットされない位置にボールを起きパスを出す。
対戦相手が少し遠ければ相手が来る前に出せる位置にボールを起きパスを出すといった形です。
それには「ドリブル」「トラップ」といった技術が必要になります。
特にトラップの技術は大事で、上の学年に行けば行くほど、対戦相手のプレッシャーは早くなっていきます。
その際にトラップミスをし、ボールが足元から離れてしまうようでは対戦相手に取られてしまうからです。
対戦相手に取られない所にボールを起き、尚且つパスが出せるような体制を整えることが大事となります。
パスを受ける相手をよく観察する
対戦相手がいても正確にボールが蹴れるだけでは優れたパスと言えません。相手がどういった形で貰いたいのかを把握する必要があります。
対戦相手の裏でボールを貰いたいのか、それとも足元でボールを貰いたいのか、または利き足の方で貰いたいのか様々なパターンがあります。
これを実現するためには、パスを出す味方の動き・特長・体制・味方をマークしている相手の動き、スペースなど多くの情報を得て、初めて判断することが出来るのです。
これが出来た時、次のクリティカルな動きへとつながるパスへとなります。
これらを実現するには、オフ・ザ・ボール時の首振りによる周囲の確認が必要不可欠であります。
対面パスとは
優れたパスが出来るようになる練習の第一歩が対面パスと言えます。対面パスとは向かい合った二組がお互いにパス交換行う練習です。
工夫次第では様々なパターンが出来る練習で、昔から行われているメニューです。
それ故に、メリットやデメリットなど色々な諸説があります。
対面パスのメリット
まずは対面パスのメリット(効果)でありますが、大きく分けると以下があげられます。- トラップ技術の向上
- 正確なキックの向上
二組でパスを行うため、必ず「ボールを蹴る」「ボールを止める」といった動作を行います。
そのため、必然的に上記に記載した内容の技術が向上するのです。
また、2人で行うパスではボール1個で2人の選手が練習できるため、パス練習の中では一番ボールに触ることが出来る練習です。
対面パスの問題点
一見このパス練習はとても良さそうに見えるかもしれませんが、意識しないと以下のようなデメリットが生じると言われております。- 単調な練習となって飽きやすい
- パス&ゴーが身につかない
- 相手を確認せずパスを実施してしまう
- プレッシャーが無い中でのパスは意味がない
単調な練習となって飽きやすい
対面パスは、同じことの繰り返し(反復練習)になる傾向が強いです。そういった変化のなく、目に見えて効果がわかりづらい練習はとても退屈で、集中力が続きません。
そうなると練習効果は低くなってしまいます。
パス&ゴーが身につかない
二人一組で行う対面パスは、何も指導しなければボールを待った動きになりやすいです。また、2人しか居なく同じ場所でパス交換を行うという状況が、次への動き出しが意識されずパスを出して終わりといった致命的な悪い癖がついてしまうと懸念されております。
相手を確認せずパスを実施してしまう
相手と自分の位置が変わりづらいため、どうしても周囲を確認してのパスといった行為が疎かになりがちです。
正確なパスへ近づくためには、狙った場所へ蹴る行為の繰り返しが最短ルートなので相手を確認せずパスを実施してしまうと練習効果が下がってしまいます。
正確なパスへ近づくためには、狙った場所へ蹴る行為の繰り返しが最短ルートなので相手を確認せずパスを実施してしまうと練習効果が下がってしまいます。
プレッシャーが無い中でのパスは意味がない
二人一組のパスになるため、フリーの状態でのパス練習となります。
試合では、ほとんどの場合対戦相手のプレッシャーの中どれだけ出来るかが大事となります。
プレッシャーが掛からない中での練習は試合と違ったシチュエーションであるため試合の中ではパスを実施することができないという指摘になります。
試合では、ほとんどの場合対戦相手のプレッシャーの中どれだけ出来るかが大事となります。
プレッシャーが掛からない中での練習は試合と違ったシチュエーションであるため試合の中ではパスを実施することができないという指摘になります。
練習方法
- 二人一組を作ります。
- 5~7mほど離れた距離を置きます。
- 様々なパターンのパス交換を実施します。
- インサイドトラップ→同じ足のインサイドパス
- インサイドトラップ→逆足のインサイドパス
- インサイドトラップ→同じ足のインステップパス
- インサイドトラップ→逆足のインステップパス
- アウトサイドトラップ→同じ足のインサイドパス
- 足裏トラップ→インサイドパス
- 繰り返します。
指導ポイント
指導を適切に行うことにより問題点を解消する役割を果たします。
そうした中で指導(声掛け)が大事となります。
指導ポイントは大きく分けると以下です。
- パス&ゴーにつなげるように、インサイドで蹴る時は、蹴った後フォロースルーを意識する
- トラップをする前は軽く足踏みをし多少のパスミスを取れるようにする。
- 蹴りやすい位置にボールをトラップする(軸足から離れていると次の動作に移りづらい)
- 相手のどちらかの足に狙って蹴ること(正確なキックの練習)
- しっかりと相手の状態を確認してからボールを蹴ること(ルックアラウンド)
対面パスのボールの蹴り方の種類
インサイドキック
インステップキック
アウトサイドキック
対面パスのトラップの種類
インサイドトラップ
アウトサイドトラップ
足裏トラップ
対面パスの応用
二人一組の動きながらの対面パス
- 3m位離れた位置にコーンを2つ起きます。
- ボールの受け手はコーンから1m位離れた位置に立ちます。
- 出し手はパスを出したらコーンを目掛けて軽く前に出ます。
- 相手のコーンの所にたどり着いたらバックステップで自分のコーンの所まで下がりワンタッチでコーンを回ります。
- 繰り返します。
この練習は、漠然とした対面パスに動きを加え、次の動きを意識したプレーを出来るようにするためです。
基礎的な対面パスからこの練習に移ると「何を意識しなければいけないのか」を考えさせることが出来ます。
ファーストタッチを意識した対面パス
マーカーを設けることでトラップの強さの加減の習得につながります。
動きながらの対面パス
様々なトラップのパターンを習得することができます。
パスを出した後、軽く詰めてあげればプレッシャーの中でのファーストタッチの練習となります。
ドリブルをしながらの対面パス
- コーンを2つ2~4m位離して設置し、受け手がコーンの端に立ちます。
- パスの出しては5m位離れた位置に立ちます。
- コーン側に立っている子に対し、コーンの外側にパスを行います。
- 受け手はトラップをした後、逆側のコーンまで行き、素早く切り返し戻ってきます。
- 戻ってきたら相手にパスを出し、素早く逆側のコーンでボールを貰います。
- 繰り返します。
この練習は、試合を意識した素早いターンと運びながらのパスを意識した練習となっております。コーンを相手と意識すると分かりやすく、コースを空けてパスを出すというイメージです。
切り替えした後の動作を素早く行えるかがポイントとなります。
ぶつかってはダメ!ゲーム感覚の対面パス
基本的な練習方法は対面パスと一緒なのですが、四角形で行うことでボールがぶつかる可能性があります。そこでお互いにボールを当ててはいけないというルールのもとで行うと周りのボールの蹴り出しのタイミングを図ってからのパスとなるため、自然と周囲を意識してのパスが身につくわけです。
終わりに
対面パスでも工夫次第では色々なパターンで試合を意識した練習にすることが出来ます。
最近の小学生はドリブル中心とした練習メニューが多いとは思いますが、パス・トラップは基本中の基本のため、低学年のうちから練習に取り入れていってほしいものです。
少なくともしっかりと蹴れる・止めるようになって欲しいですね!
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